新谷監督が逝く猪威悪高校栄冠ナイン日記 2年目その1 パワプロ2020 春
前回のあらすじ
全力で葛西君を抱え込んだ。
以上
冬の色が濃くなり雪が降り始めた横浜。
冬合宿を行ったが女風呂覗き事件などがあり全く成長はしなかった。
「覗いたのは監督だけどねぇ~」
「永井に嘘の風呂時間をつかまされたのは可哀想だがまぁ自業自得だな。」
すこしは同情してくれたっていいじゃん渋川。
全く嬉しくないクリスマス。
何がおめでたいか分からない年越し。
そんなのお構いなしに野球部の練習は続く。
もう一人ぐらいスカウトしませんか??
そんな篠田の一声でキャッチャーのスカウトにも成功した猪威悪。
変わりなく投げ込みを続けるピッチャーと変わりなくバットを振り続ける野手。
時は流れた。
季節は3月、もう春の香りがし始めたときに一つのイベントが始まろうとしていた。
卒業式
「座間たちの卒業式があったらしいな。」
あくまで監督である俺は先生ではないため学校行事には基本顔出しはしていない。
選手達からそれぞれの進路は聞いている。
全く弄れなかった星川がフリーターになってたりとか。
比類なき成績でチームを引っ張った4番玉村がお肉屋さんになってたりとか。
ネタにはなった座間は職人というなんとも言いにくい職業?についていたりとか。
「短い時間だったけど色々あったなぁ」
座間からは電話も掛かってきた。
曰く
「永井はいいキャプテンですね。自分とは違うことをアイツのやり方で出来ている。」
「チームの雰囲気がよくなった。」
確かに今の永井の働きには非常に満足している。
試合での成績はダメだがこの雰囲気ならば一年生も気楽にプレーできるだろう。
一ヵ月後
入学式
別れの後には出会いがある。
新入生、そして進入部員。
今年は7人の部員が入ってきてくれた。
やんちゃな若者ピッチャー小山
クールなピッチャー的場
スカウトで来てくれた独特の打球を放つ 捕手 金澤
死体蹴りが特技のファースト 丹野
足がおっせえしたたかなセカンド 宮
そして
三顧の礼でやってきた熱血漢 外野 葛西
注目は現段階では(ラインドライブ)の金澤
エリートの葛西
そして、
神奈川ではなく遥々徳島からやってきた逸材 藤井
特徴と言った特徴はないが葛西をライバル視している上に能力ならば葛西より優れている。
なんでこんな逸材が無名だったんだ??
なんで藤井はわざわざ遠い神奈川に来たんだ??
しかも他のところじゃなくうちを選んだんだ??
疑問は尽きないが
「楽しくなりそうだ。」
いい夏にしよう。
新しい選手が入りすこし方針を変えた。
それはナイン達にもかなり分かりやすいように伝わっただろう。
「集合!」
4月
もうすぐ新入生が入ってくる時に練習の支持が行われた。
「今月の練習メニューだ各自目を通すように。」
「え?」
「いつもと違う。」
「守備錬だ、永井以外な」
「ここから夏の試合までは時間がない。もうすぐ新入生も入ってくる。最低限の守備走塁を身に着けろ。そうすれば去年よりもいい順位にいくはずだ。」
「わかったか??」
「「「「「「ハイ!!」」」」」」
ノックをやり始めたナイン達。
一人バットを振り続ける永井。
「聞かないのか??」
「何をですか?」
バットを振りながら答える永井。
「理由だよ。一人だけ守備錬じゃないことへの」
「打つしかないんでしょ??」
「・・・・。聞く必要もなかったか。」
背を向ける。
アイツは賢いやつだ。自分の役割を理解している。
(打つこと)
守備軽視のファーストでは打つことが全てだ。
正直まだ甲子園に行くのは打力が足りてない。
それ以上に守備も走塁も足りていない。
何もかも足りていない中で2年目が始まった。
今回は以上です。
時期の関係上仕方がないのかもしれませんがかなり短くなってしまいました。
次からは夏の大会です。
永井や渋川にとっては最後の夏です。
がんばりましょう。
それではまた次回お会いしましょう。