新谷監督が逝く猪威悪高校栄冠ナイン日記 2年目その9 パワプロ2020 冬
前回のあらすじ
校長は新谷。
木川、渋川、永井はプロ入りを果たした。
ドラフト会議を終えてまたいつもの練習期間に戻る。
4月までは特に試合はないので練習練習、そして練習。
冬の合宿も皆でボロボロになるまで練習した。
葛西が守備職人、伊勢の球持ちがよくなる、宮がインコースの打ち方がよくなる。。
様々な練習のおかげで特化した能力を身に着けることが出来た。
葛西に至ってはバットコントロールを磨いて、アベレージヒッターになった。
非常に順調に成長していると感じる。
この期間は現存戦力の強化と次なる世代の発掘が出来る、非常に楽しい時間だ。
試合の緊迫間でお腹を壊しそうになる心配がいらないのは大変気楽だ。
「よし、」
「という訳でスカウトに行こう。川中」
「はい!」
「今年のスカウトなんですが、去年のスカウトとは少し違う形になりますので先に説明します。」
俺達の野球部がある程度強くなったことで校長も重い腰を上げたのか、スカウトの範囲が広くなったらしい。
後は野球の設備だな。
かなり充実していきている。
「今までは猪威悪高校のある神奈川県だけしか調査、スカウトが出来なかったのですが今は関東全域に範囲が広がっていますので、より色んな選手とコンタクトを取ることが出来ますよ。」
「今のご時勢的に大丈夫なんだろうか??」
「そんな話はノーサンキューです。」
「まぁ現実の話をしても仕方ないか。」
とりあえず、スカウトに行くか!
このスカウトは非常に重要。
今までは運任せ状態だった新入部員がある程度ではあるがこちら側で選べるようになったわけだ。
キャッチャーが3人来たりとかそういう悪夢が減るのだ。
今いるメンバーとの兼ね合いでどのポジションを補強するかを考える。
次の世代にどのポジションが必要かを考える。
今のメンバーから見ると2年生にしか内野がいないので、内野が補強ポイントなのは明白。
というわけで内野手探しのたびに監督と川中は関東を駆け巡りましたとさ。
「やっちゃった・・・」
「やっちゃいましたね・・・」
意気揚々と突っ込んで早々にやらかした監督。
何をやらかしたかと言うと、さっき補強ポイントの説明をした。
内野が薄いから次世代の内野を探そうという目的だった。
実は内野と言ってもセカンドは今の一年生にもいるので無理して補強する必要性は薄く、2年生にいないショートとサードを補強するべきだった。
のだがへっぽこ監督は
「たしかセカンド!!」
と自チームの戦力を監督なのに把握していないという存在意義が危ぶまれるミスを披露。
流石にこのミスはやばいと監督も思ったのか、そこから各地を駈けずり回りなんとかウィークポイントだったショートとサードのスカウトにも成功。
来る4月に彼らが猪威悪のユニフォームを来てくれることを祈ろう。
そして、時は過ぎて。
出会いがあれば別れもある。
3月、卒業式。
2年目の監督生活を共に戦ってくれた戦友たちが巣立っていく。
永井 プロの世界へ
渋川 プロの世界へ
半澤 野球は辞めて就職
河端 野球を続ける為進学
木川 プロの世界へ
前山 野球を続ける為進学
篠田 マネージャーでの経験を生かして看護師
以上 7名が参加した卒業式は恙無く終了した。
永井、渋川、木川の3人は既にプロ野球のシーズンが開幕していたこともあって参加は出来なかったが卒業証書だけは受け取ったらしい。
というか何故かうちの野球部無駄に偏差値高いんだよね。
猪威悪とは一体・・・??
いや、裏では意外と真面目なのがギャップ萌えなのか??
う~ん、謎は深まるばかりだ。
特に徳島からわざわざ出てきて猪威悪に入ってきた藤井は本当に謎だ。
あいつ偏差値75あるんだよなぁ。
そんなこんなで皆路頭に迷うことなく自分の道を歩み始めたようだ。
篠田に至ってはたまに部室に顔を出してくれるようになる。
俺が心配なのか、部員の体を気遣ってか、その真意は定かではない。
そしてまた時が流れ
別れがあれば出会いもある。
4月 入学式
猪威悪のユニフォームを着る選手がまた増えた。
メンバー紹介からが次回の始まりになる。
新しい一年、新しい選手、新しい夏。
また猪威悪の歴史に激闘が刻まれる。
とうとう3年目か。
今回は以上です。
今までよりあっさりした内容ですが、これからもよろしくです。