tomtomfutureのブログ

ゲーム好きな男が普段の生活やらゲームやら野球やら、あーだこーだしたことを書いていきます。最近はウマ娘に傾倒してます。

新谷監督が逝く猪威悪高校栄冠ナイン日記 2年目その5 パワプロ2020 夏

前回のあらすじ

 

気持ちのいいぐらいの大勝を果たした。

帰りしなに校長に呼び出された。

ムカツク

 

そんなことを言っていても仕方がないので本編開始。

 

夏の県大会 準々決勝

「準々決勝か・・・」

「ここまで来ましたね。」

「いい、響きだな。」

「・・・ダメだこりゃ。」

 

今日も猪威悪ベンチはいつも通り。

リラックスムード、というかアホな監督としっかりもののマネージャーで成り立ってます。

 

対戦相手は藤沢電工

戦力はD 要するに今までと変わらない。

 

今日も、頑張ろう。

だが

「監督、ちょっと・・・」

「分かってる。」

渋川だ、いや渋川だけじゃない、皆同じことを考えてる。

「永井はベンチスタートだ。スタメンは葛西で行く。2回戦の時と同じスタメンだ。」

 

・・・・

 

前の試合の後永井から電話があった。

完璧に体調不良。

2回戦の時の腹痛からおかしいのは分かっていたはずだが、見落としていた。

負けたら終わりだと前回永井を出したから悪化したのかもしれない。

結果は大勝、だが中盤の逆転は永井のスリーランだ。

あれがなかったらそれこそ負けていたかもしれない。

 

 

「出来ることは一つしかない。試合に出て勝つこと。それだけだ。」

永井の熱は下がった。

が、昨日やっと下がったばかりの永井の動きは明らかにいつもより遅い。

スタメンは葛西で行く。

 

やるしかない。

「前回勝てたんだ。出来ない訳はない。今日も勝つぞ!!」

「「「「オー!!」」」」

 

「ベンチ組、声出せよ。腹からでもどっからでもいいから全力声だしだ、分かったな。」

 

最悪の雰囲気の中、試合がスタートした。

 

 

初回 ヒット三連打であっさり先制を許す。

こういう時にこういう展開になるのが野球。

仕方ない。

 

しっかり取り返すだけだ。

 

ヒット、ツーベースで二三塁のチャンスをしっかり作ると、代役4番の半澤がレフトへの犠牲フライで同点。

続く前山がタイムリーであっさり逆転に成功!

 

 

いい流れだ。

「ナイバッチー!!」

「もう一本いこうー!!」

ベンチも声だしをしてる。

やるべきことが分かってる。

俺もやれることをやるしかない。

 

 

 

 

 

 

自分の学校の野球を見に来るのは初めてだな。

「・・・」

球場は応援やら野次やらで相変わらず賑やかだな。

「・・・・・・」

 

藤沢 1300421    11 17 1

猪威悪200000     2  8 1

 

「ボロ負けだな。」

 

 

 

 

声なんてない。

聞こえるのは相手チームの歓声だけ。

逆転した直後の2回表に連打で3点取られてあっさり逆転。

5回にソロホームランの後ヒットツーベースそして渋川自らのエラー、タイムリー。

6回にもソロを被弾、伊勢に交代したが変わらず点を取られた。

 

打線もヒットが出るだけ、得点とは縁遠い攻撃を続けていた。

「・・・・」

声なんてない。

出るわけがない。

この状況で空元気も出せない。

少なくとも、監督である俺は完全に折れていた。

監督がこんな状態で、勝てる訳がない。

 

「この回に点を取らないと規定でコールド負けですよ。」

「・・・分かってる。」

 

点を、取らなきゃいけない。

 

 

 

3番河端ヒット、4番半澤ヒットでチャンスが到来。

前山はポップフライに倒れて、ワンアウト。

バッターは葛西。

 

「・・・・」

まだ、折れてない。

葛西はやはりいい選手だ。

 

その葛西がヒットを放つ。

ワンアウト満塁。

 

打順はピッチャー。

「・・・・」

無言でバットを振る選手が一人。

ネクストには伊勢は立っていない。

立つことは出来なかった。

 

 

「代打、ピッチャーに変えて永井。」

 

9点差

絶望的な点数

7点差ではコールドで負け。

打順は下位打線。

 

本当にここしか、ここで勢いをつけるしかない。

それは本人も分かってる。

 

だから志願して代打に出てる。

一言も話していないが。

 

 

ワンアウト満塁。

向こうは中間守備。

ゲッツーを狙ってる守備陣形。

要するにここで終わらせるつもり。

 

 

「・・・・・」

「永井くん、冷静にー!!」

「頼む永井・・・!」

 

篠田が声を出している。

木川が見つめ祈ってる。

 

(甘い球だけでいい。)

 

構え、集中する。

今までずっとやってきたこと。

 

 この夏でやらなくなること。

 

 

(打つ・・・)

 

ピッチャーがセットに入る。

 

 

 

 

どんだけ御託を並べても、答えは18.44にしかないんだよ。

 

 

甘い、外角寄りの、ストレート!

 

(!!)

 

 

 

 

打った打球は

ファーストゴロ、ダブルプレー

スリー、アウト。

 

 

7回、規定によりコールド負け。

 

永井は2年連続、ファーストゴロダブルプレーで、夏を終えた。

終わってしまった。

 

 

 

今回は以上です。

いい絶望をありがとう。

本当にショックだったわコンチクショウ。

また次回お会いしましょう。