tomtomfutureのブログ

ゲーム好きな男が普段の生活やらゲームやら野球やら、あーだこーだしたことを書いていきます。最近はウマ娘に傾倒してます。

新谷監督が逝く猪威悪高校栄冠ナイン日記 2年目その8表 パワプロ2020 秋

前回のあらすじ

 

秋大会にて対戦相手が強すぎて負けた。

また一から特訓の時間だ。

 

と思ってたんだけどなぁ。

 

 

10月26日

 

何故か学校に呼び出された。

しかもスーツで。

 

「俺が何をしたって言うんだ。」

これから謝罪会見でも開かされるのか?

え、俺なんかやらかしったっけ??

 

 

そこそこ広い部屋に案内されて「ここにいろ」と一言だけ。

校長の指示、しかも校長本人から直接。

 

「はぁ。」

 

 

ここで何が行われるか、恐らく俺だけが分かっていなかった。

 

数分後

 

ぞろぞろと野球部のメンバーがやってきた。

いつもとは違う様子で、全員学校の制服で部屋に入ってきた。

 

「監督、お久しぶりです。」

「ん?」

横に立っていたのは制服姿の篠田だ。

なんかこう見ると新鮮だな。

 

「久しぶりってほどでもないけど、毎日会ってたからそう感じるな。」

「そうなんですよね、顔出さなくなってから結構立ちましたし。」

「てか、なんで皆制服でここに集められたんだ。俺までスーツ着て来いって言われるし。」

「監督のことだろうからそうだと思ってましたよ。今日が何の日か知らないんですね。」

 

え、今日ってなんかある日なの?

 

10月26日

 

 

なんか、あったっけ??

 

「はぁ・・・」

盛大にため息をつかれた。

「仕方ないから教えてあげますよ。」

 

「今日は、ドラフト会議です!」

 

 

「・・・」

 

 

「え、マジ??」

 

年に一度のプロ野球ドラフト会議。

俺が監督になってから2回目になる。

 

一年目の時は全員がプロ志望を出さなかった為全く話題に上がらなかったが、今回はプロ志望者がいるらしい。

 

いるらしいってのは実は俺は全く関与していないのである。

他の学校はどうかは知らないけど、うちは志望届を出す時に俺に一切話しは来ない。

全部校長に話が行くようになっている。

 

他の高校はどうなってるんだろうな。

多分一声ぐらいはかけられると思うんだけど、

もしかしたら俺は嫌われているのかもしれない。

 

「そうか、プロか・・・」

たかだかただの一般オタクの俺には興味のない世界かもしれない。

 

学生服の選手達がぞろぞろと入ってくる。

流石に全員は入れないから、一部生徒だけ。

それでも、野球部は全員入れている。

 

まぁ野球部だけで十分だろう。

 

「さて。」

 

 

そろそろ本日の主役達が出てきておくれ。

 

 

志望届けを出したのは3人。

 

投手 渋川

一塁手 永井

外野手 木川

 

それぞれ夏の大会で活躍したうちの主力選手だ。

「なんか意外だな。」

「何がですか??」

「いや、なんでもない。」

 

永井はやめると思ってた。野球を。

でも続けるとも思ってた。

自分でも言語化出来ないとはな。

例えるなら「あなたのこと好きだけど昔の人が忘れらないの。あなたの方が魅力的なのも分かってるけど、昔馴染みの屑が忘れられないの。」

 

「ムカつくなぁ」

「何がですか??」

「いや、こっちの話」

 

例えたけど、絶対に違うことだけは分かった。

 

「そろそろ始まりますよ。」

 

各球団の監督とフロント、そして関係者たちが入場してくる。

野球ファンからすれば普通かもしれないが、このドラフトは一大イベントだ。

各球団のファンや、家族達が見ている。

無論それは俺達も同じ。共に戦った仲間がプロになるのはそれだけも嬉しいものだ。

 

「さて、」

 

こうして、様々な夢を乗せたドラフト会議がスタートした。

 

 

 

「第一順選択希望選手・・・」

 

 

「やっぱドラ1は超有名な選手ばっかだな。」

「甲子園で活躍した選手や、大学野球のトップ選手とか沢山指名されますね。」

 

「第二順選択希望選手・・・」

 

「第三順選択希望選手・・・」

 

 

こうして一人、一人と選択されていく。

うちの選手は甲子園に行っていないので、間違いなく下位指名なのは分かっていた。

だが、こうして自分の教え子が指名を待っているとそんなことは頭から消え去る。

まだか、まだか、と息が詰まる。

 

同じ部屋にいる全員が固唾を呑んで見守る。

 

「第四順選択希望選手・・・」

 

「第五順選択希望選手・・・」

 

5順目の指名が終わった。

もう下位指名だ。最初はまだ上位だからまだだ、と言い訳が出来るが下位指名になるとその言い訳が通じなくなる。

 

「第六順選択希望選手・・・」

「渋川 巧 投手 猪威悪高校。」

 

「お、」

「「「「「オオオオオオ!!!」」」」

 

雄たけび。

歓喜の叫び声しか聞こえない。

 

珍しく渋川本人もガッツポーズしてた。

よほど嬉しかったんだろうな。

 

猪威悪最初のプロ野球選手が誕生した。

 

そして

 

「永井 猛 内野手 猪威悪高校」

 

「「「「オオオオオオ!!」」」」

「やったー!」

「キャプテン!!!」

 

「おー」

 

なんか本人が一番反応が薄いのが面白いな。

まぁ多分はコイツはどこ行ってもこんな感じなんだろうな。

それで上手くやるんだろうな。

 

 

 

 

「選択終了・・・」

「選択終了・・・」

「選択終了・・・」

 

 

一つ、一つ、と球団が指名を終えていく。

木川の指名はまだだった。

 

さっきまで、散々盛り上がっていたナイン達も静かになっている。

そりゃ横で指名されてない選手がいたら盛り上がることが出来ないな。

 

「選択終了・・・」

「選択終了・・・」

「選択終了・・・」

 

「・・・」

 

遂には無言。

もう8順目の指名に差し掛かっていた。

流石に、厳しいか。

 

 

 

「横浜DENA、木川 正人 外野手 猪威悪高校」

 

「え?」

 

「「「「「「ウオオオオオ!!!!」」」」」

 

今日一番の雄たけび。

渋川や篠田、永井でさえ叫んでた。

木川は泣いてた。

 

 

こうして志望届けを提出した3人は無事、プロの世界へ飛び込むことになった。

これからは練習に参加したりするらしい。

 

渋川は西武 永井はホークス 木川は横浜

 

木川は地元横浜に指名されたのは嬉しかったな。

 

 

木川が指名されたことによってストッパーがなくなったのか、外で胴上げが始まった。

今まで一人も輩出したことのないプロ選手がしかも三人一気に誕生。

 

これでうちの学校の名前にも箔がつくね。

 

 

 

「よかった。」

無邪気に喜ぶ野球部員たちを見てそう思った。

 

 

 

 

今回は以上です。

正直プロになるかもとは思っていたけど、こんなに一気に出てくるとは思ってなかったからめちゃくちゃ驚きました。

 

次回もお楽しみに。